活動計画・報告
中部建設青年会議本部
生産性革命「深化の年」から「貫徹の年」へ
令和元年度本部の事業計画の基本方針と平成30年度の活動状況
1.令和元年度基本方針 - 吉川幸輝中部建設青年会議会長 -

 「天地、内外ともに平和が達成される」という願いを込めた“平成”が三十年の歴史に幕を下ろしました。国内で戦争のない時代であったことに安堵感はありますが、激動の時代であったと思わせる出来事は未だ記憶に新しいところです。バブルの崩壊とリーマンショックは日本経済に大打撃を与え、「失われた二十年」と言われています。阪神淡路大震災、東日本大震災では信じられない自然の猛威を目の当たりにし、近年のゲリラ的豪雨や災害級の酷暑は、もはや地球環境の変化をも疑わざるを得ず、「災害大国ニッポン」という言葉が紛れもないこととして印象づけた時代でありました。一方でIT分野はこの二十年間に劇的な進歩を遂げ、ICT、AI、IoTの勢いは留まることなく、自動車産業をはじめ全産業において大きな変革が訪れようとしています。いよいよ“令和”という新たな時代が幕を開け、国は「Society5.0」(注1)という新たな社会へ向かっています。

 「中部建設青年会議の役割とは何か・・・」前期会長を拝命する時に自問自答いたしました。中部5県130社余りの会員ほとんどが“地域の守り手”としての役割を果たし、雇用も含めて地域社会に貢献できる建設業を維持するため、経営または現場運営に奮闘し、将来を担う建設人の確保、或いはその育成のめに必死になっている。そして若き経営者だからこそ、5年後10年後の業界の行く末に対しても影響を及ぼすことができる。この会の持つ役割は“地域建設業の未来”に対して、とても重要で遣り甲斐のあるものだということが私の出した回答でした。

 建設産業を取り巻く環境は、昨年に閣議決定された「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の影響から、国土交通省をはじめ公共事業関係費の当初予算額が大幅に増額されるという追い風に乗って、今まさに大きな波が訪れようとしています。近年にはないこの大きな波をしっかり受けとめるべく、業界としてもi-Constructionを中心に生産性革命に取り組み、働き方改革や新3K(給料・休日・希望)を推奨することによって担い手確保に努めていますが、これらの問題は簡単に解消できるものではないという現実も立ちはだかっています。生産性革命「深化の年」から「貫徹の年」へ。生産性向上の成果を結実させるということは、ICT施工がより多くの工種で実用化されると同時に、更には共通仕様書や管理基準などルールの改善も図られ、建設生産システム全体が効率化することで初めて達成されるものではないでしょうか。中部建設青年会議としては、まず会員企業が生産性向上を促せるだけの能力を備えた技術者育成に努め、その上で建設生産システムの変革に対しても、地域の建設業をリードする立場から具体的意見を提案していきたいと考えています。

 “平成”から“令和”へ時代が移り変わり、「Society5.0」という新たな社会へ向かう今、前期からの2年間で各委員会活動の成果をまとめる時であります。“地域の守り手”である地域の建設業でも実現可能なものを“中建青版の生産性向上モデル”として提案できるよう「深化」から「貫徹」につながる活動をして参ります。また、建設産業の中長期的な担い手確保と育成に向けて、未来の働き方やより良い職場環境の情報共有を会員間で促し、組織として地域建設業の「存在価値」を高める活動をして参ります。そして、全国の9ブロック青年会議と共に“地域建設業の未来”に対して、責任を持って役割を果たす中部建設青年会議となるよう努めて参りますので、会員の皆様をはじめ関係各位のご理解ご協力を心からお願い申し上げ、新年度の基本方針といたします。

(注1)「Society5.0」とは・・・狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会を指すもので、デジタル革新・イノベーションを最大限活用して経済発展と社会的課題を包括的に解決する社会。我が国が目指すべき新たな未来社会(Society)の姿として、2016第5期科学技術基本計画において初めて提唱された。


2.H30年度本部活動状況

(1) 定例総会 平成30年6月14日(木) 於:名古屋逓信会館
 第29回定例総会を開催し、平成29年度事業報告及び収支決算報告並びに平成30年度事業計画案及び予算案並びに役員改選案を原案どおり可決した。
 (会員総数127名中、出席85名、委任状30名、欠席12名)
(2) 委員会活動報告
 定例総会において、各委員長が2年間の活動内容とその成果の報告を行った。
新建設産業創造委員会(木越幹人委員長)
大学・高専の学生を対象とした建設業の魅力とヤリガイを伝える活動等の発表
地域貢献委員会(宮坂義広委員長)
国土をつくる人写真展の実施状況と全国大会のパネル展示について発表
全国交流委員会(山野浩委員長)
全国大会について、特に第21回大会は中部主幹で実施したことの発表


3.役員等会議

第1回役員会 平成30年6月14日(木) 於:名古屋銀行協会会館
第2回役員会 平成31年4月11日(水) 於:名古屋銀行協会会館


4.意見交換会

平成31年 3月14日(木) 於:アイリス愛知
 中部地方整備局から岩田企画部長、犬飼地方事業評価管理官ら幹部5名をお招きし、吉川会長をはじめとする幹部役員との意見交換会を実施した。


5.全国建設青年会議第23回全国大会

平成30年12月 4日(火) 於:経団連会館
 平成30年度は東北建設青年会が主幹となり、『激甚化する災害から地域を守るために 〜東北からのメッセージ〜』をテーマとして開催された。全国から会員525名が参加し、中部建設青年会議からは吉川会長ほか57名の会員が出席した。

 

 

←前ページに戻る